反射的に振り返ると、柔らかな雰囲気をまとった茶髪の男の子がニコニコしながら立っていた。
うわ。くりっとした大きな目の、可愛らしいイケメンさん!
あれ? でもこの子、どことなく彗くんと顔の雰囲気が似ているような……?
「おっはよー、彗!」
挨拶をするなり、彗くんにギューッと抱きつく男の子。
「え!?」
教室ではほとんど誰とも話したりしない彗くんに、こんなふうに接する子がいたなんて!
しかも彗って呼び捨てだし。この人、一体何者!?
「ちょっと蓮、離れろ! 暑苦しい」
彗くんが軽く睨むと、蓮と呼ばれた彼は素早く離れる。
「ねえ。もしかしてキミが、最近A組に来たっていう転校生?」
「は、はい。羽生菜乃花です」
私は、彗くんの知り合いの彼に頭を下げる。
「えっと、あなたは?」
「僕は、速水蓮。隣のクラスのB組で、バスケ部員だよ。ちなみに僕と彗は、いとこなんだ」
え!?



