「それで、彗さまのクラスメイトである羽生さんに、彗さまのボディーガードをお願いしたいという訳です。クラスメイトなら、学校でいつも彗さまの近くにいられますしね」
「なるほど……ちなみに、彼女というのは?」
「近々、三池財閥のパーティーが開催されるんだけど。まあ実際は、俺の将来の結婚相手探しというべきか。パーティーに出席した令嬢の中から、俺の婚約者候補を選ぶと父が話していて」
こ、婚約者候補!? 宇山くんはまだ中学生なのに、お父さんはもう将来の結婚相手を探してるの?
「そんなの俺は絶対に嫌だから。それを断るためにも、いま真剣に付き合ってる彼女がいるって父さんに話そうと思ってて。それで、君に彼女役を頼みたいんだ」
たった今説明してもらって、事情は分かったけど……。
「い、いくら何でも、ボディーガードなんて無理です! もちろん、彼女役も」
「……何言ってんの?」
不意に片腕でグッと抱き寄せられて、目の前に端正な顔が迫った。
「君に、拒否権なんてないと思うけど?」



