「改めて。俺の本当の名前は、三池彗。宇山は祖母の旧姓で、俺の家は三池財閥だ」
「み、三池財閥!?」
その名を聞き、私はカッと目を大きく見開いた。
「羽生さん、驚きすぎじゃない?」
「そ、そりゃあ驚くよ」
三池財閥とは、日本でも有数の大財閥。
おそらく、日本で知らない人はいないんじゃないかってくらい有名な財閥だ。
まさか宇山くんが、あの三池財閥の御曹司だったなんて……信じられない。
「私からも説明させて頂きます」
運転席にいる執事の見上さんが、口を開く。
「彗さまは、三池財閥の御曹司であるがゆえに、幼い頃から誘拐されたり命を狙われることが多々ありました」
「誘拐、命を狙われる……」
私は思わず、見上さんの言葉を繰り返してしまう。
「そのため彗さまは中学では変装し、家のことも隠し、偽名を使って学校生活を送られているのですが……。より安全な学校生活を送るためにも、校内で新たにボディーガードをつけるようにと、旦那さまから言われておりまして」
宇山くんが掛けていたメガネを外し、長い前髪を搔きあげる。
すると、目鼻立ちの整った顔があらわになった。
ああ、彼の素顔を見るのは二度目だけど……何度見てもかっこいいな。



