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「バッグを取り戻してくれて、どうもありがとう」
その後、ひったくり犯は駆けつけた警察官に捕らえられ、私は被害に遭った女性に深々と頭を下げられた。
「いえいえ。無事で良かったです」
「本当にありがとうございました」
私にペコッともう一度お辞儀すると、女性は歩いていった。
さて。無事に解決したし、本屋さんに行こうかな。
そう思い、私が歩き出したとき。
「へー。羽生さんって、強いんだね」
後ろから聞いたことのある声がして、私は足を止めた。
こ、この声は……。
何となく嫌な予感がして恐る恐る後ろを振り返ると、クラスメイトの宇山くんが立っていた。



