隠れ御曹司は、最強女子を溺愛したい



放課後。


今日はいつも読んでいる少女漫画の発売日だったことを思い出した私は、本屋さんへ向かってひとり街を歩いていた。


よし、所持金は大丈夫だな。


私が財布の中のお金を確認し、スクールバッグにしまったそのとき。


「ドロボーー!」


え!?


突然後ろから女性の叫び声が聞こえて振り向くと、バッグを持ったサングラスの男の人が走ってくるのが見えた。


「誰か! その男をつかまえてーー!」


サングラスの男の人の後ろを若い女性が追いかけている状況から、どうやらひったくりのようだ。


ここに引っ越してくる前、空手や武道のことは秘密にするって決めたけど。


ここは、学校じゃないし……何より、たった今被害に遭っている女性を、見て見ぬフリするなんてできない。


そう思った私は、こちらへ走ってくるサングラスの男の人にドンッと体当たりした。


そして体勢を崩して倒れた男の人を私はすばやく背の上から押さえつけ、腕をねじり上げる。


「痛たたたた!」

「さあ、大人しく観念してください!」


私が腕をねじり上げた拍子に、男の手からバッグが落ちた。