私は、隣の彗くんをチラリと見やる。
「蓮くんのことは、心から嫌いにはなれないよ。だって蓮くんは……葵くんと彗くんの弟だから」
二人にとって大切な人を恨むだなんて。そんなことはできない。
蓮くんだって、お兄さんのことがなければ、あんなことはしなかっただろうし。
そして何より、蓮くんは本当は優しい人だってことを私は知ってるから。
「菜乃花ちゃん……ありがとう」
蓮くんの目元が、キラリと光った。
「これからはもう二度と、誰かを傷つけるようなことはしないで欲しい」
「分かった。これからは両親と葵兄ちゃんがつけてくれた、僕たちの名前の由来の『睡蓮』の花言葉にもあるように、優しい清純な心の持ち主になれるように頑張るよ」
そう力強く言い切った蓮くんに、私はニコッと微笑んだ。
* *
あとから、彗くんが私に教えてくれた。
双子のスイくんとレンくん、二人の名前を合わせると、お花の『睡蓮』になるらしい。
睡蓮の花言葉は、「信頼」「優しさ」「清純な心」
池に咲く睡蓮の花にたとえて、育つ場所は違えど、二人とも三池家の大切な子どもには変わりない。
三池家と速水家で、それぞれ離れていても二人でひとつ。
お互いに信頼し合い、優しい子に育って欲しいとの願いを込めて、名付けられたんだとか。



