お父さん、最初に私が挨拶をしたときは彗くんとのことを認めてくれたけど……。
もしかして、蓮くんから私と葵くんの話を聞いて、気が変わったのかな?
やっぱり、交際は反対されちゃうの?
そう思うと、急に怖くなった。
でも、自分と彗くんのことを案ずるよりもまずは……。
「謝って済む問題ではありませんが、葵くんの件は本当にすみませんでした」
とにかく先に謝らなきゃと思った私は、彗くんのご両親に向かって深々と頭を下げた。
「謝罪が遅くなってすいません。私があのとき川で溺れてしまったせいで、葵くんが川に入ることになってしまって……」
私はご両親の顔を見るのが怖くて、頭を上げられない。
足もガクガクと震えてしまう。
頭を下げたまま、どれほどの時間が経ったのだろうか。
「……菜乃花さん、顔を上げてちょうだい」
彗くんのお母さんが、私に優しく声をかけてくれた。
「私たちは別に、あなたを責めたい訳じゃないのよ?」
「そうだ。葵のことは、気にしなくて良い」
「でも……」
思いのほか柔らかな表情のご両親に、私は唇を噛みしめる。



