「……はいっ」
私は迷わず、彗くんの手を取った。
「私も……彗くんのことが、好きです」
自分の想いを正直に伝えると、身体ごと抱き寄せられた。
「ああ、良かった」
彗くんは回した腕に力を込めて、私をギュッと強く抱きしめてくる。
「もし菜乃花に断られたら、どうしようかと思った」
「断るなんて、ありえないよ」
私も、彗くんの背中に腕をまわす。
「私はずっと、彗くんのことが好きだったんだから」
こうして抱きしめ合っている今も、彗くんと両想いになれただなんてまだ信じられない。
元はと言えば、彗くんに弱みを握られたのをキッカケに、彼のボディーガード兼カノジョになったのが始まりだった。
そのうえ彗くんは、川で溺れた私を助けて亡くなった葵くんの弟。
そんな彼が、私を好きになるはずがないってずっと思っていたから。



