「本当は、今日で菜乃花との関係を終わらせようと思っていた」
──ドキッ。
「だけど、やっぱり俺は……このままで終わらせたくない」
彗くんがスッと、私の前にひざまずく。
突然のことに驚くと、黒目がちの大きな瞳が私を見上げた。
「俺は、菜乃花のことが好きだ。だから……これからは偽じゃなく、俺の本当の彼女になってくれないか」
︎︎︎︎︎︎真っ直ぐに伝えられた、ストレートな言葉。
「う、うそ」
彗くんが、私を……?
すぐには信じられなくて、目をパチパチと瞬かせる。
「ダメ……かな?」
珍しく余裕のない彗くんの顔が、これはウソじゃないんだってことを伝えてくる。
そんな姿を見ていたら、もう胸がいっぱいになって。
「もし菜乃花も同じ気持ちなら、俺の手を取って」
そう言って、私の前に手を差し伸べる彗くん。



