声がしたほうに目をやると。
そこには、グレーのスーツをかっこよく着こなした、背の高いダンディーな男の人が立っていた。
「父さん……」
「えっ」
彗くん今、あの人を見て『父さん』って言った!?
ということは、もしかしなくてもあの人は……。
「菜乃花。この人が、俺の父親」
彗くんにこそっと耳打ちされ、私の胸の鼓動は一気に加速する。
や、やっぱりそうだ……!
「彗。母さんから聞いていたが、もしかしてそちらの方が?」
「はい。俺が今、お付き合いしている彼女です」
彗くんのお父さんの視線が、彗くんから私へと移り、肩がビクッと大きく跳ねた。
「ははは、初めまして。彗くんのクラスメイトの、はっ、羽生菜乃花です!」
緊張でガチガチの私は、途中で噛みながらも何とか自己紹介。
「ほう。君が、菜乃花さん……。彗、彼女に対しては本気なのか?」
「はい」
「今までお前には、浮いた話などなかったから。もしやこのパーティーで、私に将来の結婚相手を探させないようにするための嘘なんじゃないか?」
うそ。彗くんのお父さんにバレてる!?



