そうだ。彗くんのボディーガードも、彼女役も……今日で最後なんだ。
彗くんと一緒に過ごすのも、今日でおしまい。
そう思うと寂しいけど……私は、自分に与えられたことを精一杯やるしかない。
彗くんの家のお茶会に招待されたあの日。
川で溺れた私を助けてくれた葵くんが、彗くんのお兄さんだって初めて知ったとき。
彗くんのボディーガード兼カノジョとしての役目をちゃんと果たして……大好きな彗くんの笑顔を守りたいって、思ったんだもの。
だから……
私は、真っ直ぐ彗くんを見つめる。
「分かった。私、頑張るよ」
「ありがとう、菜乃花」
それから私は、会場で挨拶まわりをする彗くんにくっついて歩いた。
「ご無沙汰しています。鈴木さん」
「おお、彗くん。見ないうちに、随分と大きくなったね……おや、そちらのお嬢さんは?」
三池財閥と古くからお付き合いがあるという年配の男性が、私に目を向けた。



