彗くん今……“蓮”って言った?
「う、うそだよね?」
彗くんは、首を左右に振る。
「うそじゃない。伊集院から髪飾りを受け取った蓮が、それを学校のプールに捨てたんだ。俺たちが中庭を歩いていたとき、校舎から花瓶を落としたのも……蓮だ」
「そんな……」
彗くんの言葉に、頭の後ろをハンマーで殴られたような心地がした。
クラスメイトの堀田さんから、伊集院さんが誰かに髪飾りを渡すところを見たって聞いていたけれど。
まさか、その相手が蓮くんだったなんて。
「……っ」
予想外の黒幕の正体に、私は言葉が続かずに固まってしまう。
「でも、どうして? どうして、蓮くんが……」
頭に浮かぶのは、蓮くんの人懐っこい笑顔。
先生から、重たい資料を運ぶよう頼まれた私に『僕も手伝うよ』と優しく声をかけてくれた、蓮くんの姿。
「やっぱり、何かの間違いなんじゃ……」
「間違いなんかじゃないよ。蓮はいとこじゃなく、本当は俺の双子の弟だから」
「えっ、蓮くんが彗くんの……弟!?」
彗くんの口から次々と明かされる衝撃の事実に、頭がついていかない。



