目を開けると、真っ白な天井が視界に入ってきた。


何だか、頭が少し痛い。


「あっ。気がついた?」


耳元で声がしてそちらを向くと、養護教諭の女性の先生が立っていた。


「えっと、私……」

「羽生さん、さっきプールで溺れたのよ」


そうだ。私、髪飾りを取ろうとしてプールに入って、足をつって……。


「溺れていたあなたを、宇山くんが……じゃなくて。三池くんが助けて、ここまで運んできてくれたの」


彗くんが?


「羽生さん、体の調子はどう? 溺れたときに水を飲んでしまったみたいだけど、呼吸は苦しくない?」

「あっ、はい。少し頭痛がするだけで、あとは大丈夫です」


まだ少し頭がボーッとするなか、私はベッドから上半身を起こした。


うん。身体はいつも通り動くし、水中でつった足も平気だ。


「良かった。それじゃあ私、羽生さんの親御さんに連絡してくるわね」


そう言うと、先生は保健室から出て行った。


ガラガラ。


「菜乃花」


先生と入れ替わるようにして保健室の扉が開き、彗くんが入ってきた。