隠れ御曹司は、最強女子を溺愛したい



* *


俺は、電話の相手との待ち合わせ場所である体育館裏にやって来た。


「あっ、彗! 急に呼び出したりして。話って何?」


壁に背をつけて待っていた蓮が、俺を見た途端、不機嫌そうな顔で尋ねてくる。


「僕、自主練の途中だったんだけど?」


バスケ部の蓮は、今もまだ体操服姿だ。


「悪いな。蓮に話があって……」


俺がさっき電話をした相手は、いとこで友人の蓮だ。


「実は……菜乃花の髪飾りがなくなってさ」

「えっ!?」


俺の言葉に、目を丸くする蓮。


「それって、彗があの子のために買って、プレゼントしたって話してたやつだよね? 見つかったの?」


俺は、首を横にふる。


蓮に、こんなことを聞くのは勇気がいるけど……。


俺は深呼吸すると、心配そうな表情の蓮を真っ直ぐ見つめた。