隠れ御曹司は、最強女子を溺愛したい



やっぱり私は、髪飾りを取り戻したい。


だってあれは……彗くんから初めてもらった、私の大切な宝物だから。


俯いていた顔を上げると、私は再びプールに近づく。


水に入ると思うと、怖いけど……。


「……行くしかない」


ローファーと靴下を脱ぐと、私は思い切ってプールに飛び込んだ。


──バッシャーン!!


6年ぶりのお風呂以外の水の中は冷たくて、恐怖で足が竦みそうになる。


「はぁ、はぁ……っ」


それでも私は髪飾りを取り戻したい一心で、何とか足を前へと進める。


バシャッ、バシャッ。


大丈夫。ここは川じゃなくて、学校のプールだ。


小学生のときみたいに流される心配はないし、足もちゃんとプールの床についてるから。


落ち着いて、いつも通りにただ歩けば良い。


自分で自分に言い聞かせながら、私は焦らずゆっくりと歩を進める。