歩いていた彗くんの頭上を目がけて、校舎から花瓶が落ちてきたんだ。
「彗くん、危ないっ!」
瞬時に危険を察知した私は、とっさに彗くんを突き飛ばした。
次の瞬間……。
──ガシャーンッ!!
地面に花瓶が勢いよく落ちて、割れる音がした。
跡形もなく、地面に粉々になる花瓶。
「彗くん、怪我はない!?」
「あっ、ああ。俺は大丈夫」
彗くんが無事だと分かり、胸を撫でおろす。
幸い、彗くんに怪我はなかったけれど。
もしあの花瓶が頭に直撃していたらと思うと、ゾッとする。
そもそも、この学校の廊下に花瓶なんて置かれていないから。花瓶が、勝手に窓から落ちたってことはないだろうし。
やっぱり誰かが、故意にやったとしか考えられない。
一体、誰がこんなことを……。
花瓶が落ちてきた校舎の3階の窓に目をやると、そこには誰もいなかった。
今までは、学校で狙われることなんてなかったのに……やっぱり、彗くんが正体を明かしたから?
「私、先生に報告してくるよ」
「……待って」
職員室に行こうとした私の腕を、彗くんが掴んだ。



