――それから。ふたりは王都でのデートを存分に堪能する。早めの軽い昼食をこなし、腹ごなしに街歩きして観光名所を総浚い。カフェでちょっと休んだら、互いの興味の向いた店々をぶらりと覗いて。そして夕方になれば劇場に移動し、評判の舞台を心行くまで鑑賞した。
題材は騎士と姫君との身分違いの恋愛だったのだが、一番の見どころはやはり、騎士が悪の公爵のもとに囚われの姫君を助けに行くシーンだった。
山越え谷越え、幾多の困難に見舞われるも屈せず一途に姫を思う騎士が、時には旅の仲間とおもしろおかしく、時にはその情熱を武器にして、悪の公爵の狡賢い計略を打ち破る。大筋が同じ話はたくさんあるけど、どれもがそれぞれの匙加減で観客の感情を揺り動かし、楽しませてくれる。
幕が閉じ、公演が終わって観客席から退場するジェミーの顔は、すっかり笑顔になっていた。
「あー、楽しかった! あの悪役公爵が騎士に鉄拳制裁されると、本当すっきりしたわ! こう、もっとやってやれって感じ!」
ジェミーが拳を振るう真似をすると、ルゼは子供を見るようにくすりと笑う。
題材は騎士と姫君との身分違いの恋愛だったのだが、一番の見どころはやはり、騎士が悪の公爵のもとに囚われの姫君を助けに行くシーンだった。
山越え谷越え、幾多の困難に見舞われるも屈せず一途に姫を思う騎士が、時には旅の仲間とおもしろおかしく、時にはその情熱を武器にして、悪の公爵の狡賢い計略を打ち破る。大筋が同じ話はたくさんあるけど、どれもがそれぞれの匙加減で観客の感情を揺り動かし、楽しませてくれる。
幕が閉じ、公演が終わって観客席から退場するジェミーの顔は、すっかり笑顔になっていた。
「あー、楽しかった! あの悪役公爵が騎士に鉄拳制裁されると、本当すっきりしたわ! こう、もっとやってやれって感じ!」
ジェミーが拳を振るう真似をすると、ルゼは子供を見るようにくすりと笑う。



