「すまないセニア、ちょっとこれから急ぎの用事ができたから、私は退席するよ。ジェミーたちと一緒に、園遊会を楽しんでいてくれ」
「それは仕方ないわ。今日は帰るけどまた明日もこちらに出向くから、その時に慰めてね、クラフト」
「ああ、もちろん」
目の前でチークキスを交わすふたりに、ジェミーは心の中でご馳走様と手を合わす。
相変わらず、セニアはクラフトに首ったけで、彼の方も満更ではなさそう。ピュアアプを思い出すお似合いの姿にはジェミーも思わずにっこり。
「ジェ、ジェミーも彼女の相手をしてくれてありがとう。引き続き……よろしく頼むよ」
しかしクラフトのこちらへと向く視線といえば、ずいぶん恐れの色が濃い。先日の手痛い失敗は、どうやら彼にジェミーへの苦手意識を存分に植え付けてしまったらしく。そのおどついた表情は以前の完全無欠スパダリのものとは思えない。セニアには悪いがちょっとだけいい気味だと思いつつ、ジェミーは笑顔のまま優雅に手を振る。
「ええ。殿下、お気をつけて」
「で、では、アルサイドもまた後でな」
「それは仕方ないわ。今日は帰るけどまた明日もこちらに出向くから、その時に慰めてね、クラフト」
「ああ、もちろん」
目の前でチークキスを交わすふたりに、ジェミーは心の中でご馳走様と手を合わす。
相変わらず、セニアはクラフトに首ったけで、彼の方も満更ではなさそう。ピュアアプを思い出すお似合いの姿にはジェミーも思わずにっこり。
「ジェ、ジェミーも彼女の相手をしてくれてありがとう。引き続き……よろしく頼むよ」
しかしクラフトのこちらへと向く視線といえば、ずいぶん恐れの色が濃い。先日の手痛い失敗は、どうやら彼にジェミーへの苦手意識を存分に植え付けてしまったらしく。そのおどついた表情は以前の完全無欠スパダリのものとは思えない。セニアには悪いがちょっとだけいい気味だと思いつつ、ジェミーは笑顔のまま優雅に手を振る。
「ええ。殿下、お気をつけて」
「で、では、アルサイドもまた後でな」



