これからも、彼らには彼らなりの、人生の起伏がいくつも待っている。
 誰もが羨む感涙シーンに変えられるかは、お互いの采配に期待ってとこ。でもふたり一緒なら、きっと――。

 そろそろ夕陽が、水平線に着地して海全体が茜に染まり。

 それをもっと間近で見ようとジェミーは駆け出し、波間に足を遊ばせるとはしゃぎ回る。

 跳ねた飛沫が銀色の髪を輝かせ、そして。
 
「きゃっほー、こっちこっち~!」

 この上なく、絶好調な笑顔で叫ぶと……振り返って手招き‼

「明日が待ち切れないね――!」


《おしまい》