~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド

(なんでよ、こんなの泣いちゃう)

 瞳が潤む。あの式の時不覚にもこぼれた、どうしようもない悲しみの一粒とは違って、今回のは、もっと温かで心から歓迎できる喜びの雫。
 それでも――。

「泣っ……かないんだから!」

 ジェミーは瞼をこすって無理に笑顔を作り、胸を張った。
 ルゼは両手を広げたままのちょっと間抜けなポーズで残念そうにしている。

「どうしてさ。ちゃんと受け止める準備までしてたのに」
「私ってば、大事なものは最後までとっておきたいタイプなのよね」

 ジェミーはやや鼻声で、自慢げに人差し指を立ててみせた。

 きっとこれからも、ルゼとの間にはいろんな出来事が起こると思う。
 大変なことも、嬉しいことも。