~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド

「その縁でジェミーを知り合ってから僕は、アルサイド様からの指示だというのをいいことに、ささいな意地で彼女を守ろうとやっきになった。振り回されることも多くて後悔もしたけれど、でも思いの外、たくさんのことを彼女から教わることができたんです」

 彼の話がどんどん自分の話題に寄り、やや居心地の悪いジェミーはもじもじと俯く。しかし、それも束の間。

「多少破天荒なきらいはあったけど、ろくでなしの悪女だとか言われていたジェミーは、実のところ家族思いなひとりの少女にしかすぎなかった。貴族だからと偉ぶらず、人としてごく普通の感性で周りを笑顔にしていて……。僕はそんな彼女が、羨ましくなったんです」

 ルゼの憧れの宿る瞳が向き、なんだかそれがぐっと距離の近いものに感じられて、ジェミーは胸を抑えドキドキしてしまう。

「うじうじと悩んでいただけの僕は、いつもありのままなジェミーの姿に勇気と自信をもらった。世界も自分も変えられないと斜めに見て意気地のない自分を慰めるより、失敗してもいいから踏み出そう。恥ずかしくたって声に出そう。できないと思うことも悲観しないでやってみるんだと、そう思えたんです」

 ルゼは、隣にいるジェミーの肩を掴んで、強く前に押し出した。