~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド

 ぎこちないふたりの会話が、話し合いの行く先が見えない参列者たちの間で、静かにわだかまる。

「誰からも必要とされていない気がしていました。だから僕は次第に他者と関わることを嫌って、屋敷の使用人とすらろくに話すことはしなかった。将来も、ただ王国に生きる国民のひとりとして、あてがわれる仕事を淡々とこなし、時が来たらひとりで消えようと、そう思っていました」
「そうか」

 そうした境遇に追いやってしまったのは自分たちだと、口を噤む国王。ウィリアムも痛ましげに目を伏した。
 だが、それだけではなかったのだと、ルゼは笑みを浮かべた。

「でも、僕はそんな風に割り切れなかった。本当は心の中では誰かとの温かい関わりを求めていたみたいだ。だからつい最近、孤独な生活に嫌気がさした僕は、自分でも信じられない行動を――生まれて初めて、誰かを助けようとしたんです」

 思い出そうとするかのように彼は視線を遠くにやると、探り出した当時の記憶を繋げてゆく。それは、デールの命により引き起こされたジェミーの暗殺未遂のこと。

 彼によると、別に公爵家のものだと知ってではなく、たまたま街で派手な馬車に仕掛けがされたのを見て、最初は見て見ぬ振りをしようと思ったらしい。だけど喉の奥に何か詰まったようで気になって仕方なく、気づけばそこへ引き返していたのだとか。