かたや影で国を割る騒動を引き起こした大罪人、かたや王族の作法など忘れ去り、宮中とは無縁で育ってきた青年。
どちらも次期国王に据えるなど以ての外。この場での判断は不可能、持ち帰り改めて審議すべきと、そう誰が声に出してもおかしくないという空気の中で。
「ち、父上」
おずおずと、そんな小さな声が上がった。
「そうお呼びすればよろしいのでしょうか? 国王陛下」
「むう……」
沈んでいたルゼが顔を持ち上げ、勇気を振り絞りそう呼びかけたのだ。その言葉を認め、国王は重々しく頷く。
「ああ、そうだ。私がそなたの本当の父親だ。とはいえ、十年以上も顔を合わしておらんのに、そのようなことは胸を張って言えまいが」
「それは、恐れながら僕もです。自分が王子であるなど考えたこともなかった。でも、代わりに悩んできました。どうして僕には家族がそばにいないのか。たまに会えるのは、顔を合わせては勉学に励み、貴族としてふさわしい人間たれと諭すだけの父のみで……」
どちらも次期国王に据えるなど以ての外。この場での判断は不可能、持ち帰り改めて審議すべきと、そう誰が声に出してもおかしくないという空気の中で。
「ち、父上」
おずおずと、そんな小さな声が上がった。
「そうお呼びすればよろしいのでしょうか? 国王陛下」
「むう……」
沈んでいたルゼが顔を持ち上げ、勇気を振り絞りそう呼びかけたのだ。その言葉を認め、国王は重々しく頷く。
「ああ、そうだ。私がそなたの本当の父親だ。とはいえ、十年以上も顔を合わしておらんのに、そのようなことは胸を張って言えまいが」
「それは、恐れながら僕もです。自分が王子であるなど考えたこともなかった。でも、代わりに悩んできました。どうして僕には家族がそばにいないのか。たまに会えるのは、顔を合わせては勉学に励み、貴族としてふさわしい人間たれと諭すだけの父のみで……」



