アルサイド殿下は私にしがみついて泣きじゃくるばかりで。
案の定――その後王宮内は、大変な騒ぎになりました。
殿下は、私たちはおろか両親である国王夫妻や、兄弟のことも覚えておられなかった。
心の働きをよく知る医師の見立てでは、命を奪われかけた強い恐怖に耐えきれず、ここに至るまでのすべてごと、襲撃の事実を自らの内側奥深くに仕舞い込んでしまったということです。そして一週間以上の時が経てど、記憶が戻る予兆は訪れなかった。
当時の警備責任者である騎士団長をはじめとした、幾人もの宮内の高官が処罰を受け――。
それはもちろん私も例外ではなく、ある日、陛下に謁見の間に呼ばれました。
「アルサイドのことを他国の密偵に知られた以上、この王宮には置いておけん。ウィリアムよ、お前は此度の責任を取り、王室侍従長の任を解く!」
「申し開きのしようもございません」
当然の決定です。私は頭を深く下げ、むしろこの場で首を討たれなかった温情に感謝したものです。
しかし、命令はそれで終わりではなかった。
案の定――その後王宮内は、大変な騒ぎになりました。
殿下は、私たちはおろか両親である国王夫妻や、兄弟のことも覚えておられなかった。
心の働きをよく知る医師の見立てでは、命を奪われかけた強い恐怖に耐えきれず、ここに至るまでのすべてごと、襲撃の事実を自らの内側奥深くに仕舞い込んでしまったということです。そして一週間以上の時が経てど、記憶が戻る予兆は訪れなかった。
当時の警備責任者である騎士団長をはじめとした、幾人もの宮内の高官が処罰を受け――。
それはもちろん私も例外ではなく、ある日、陛下に謁見の間に呼ばれました。
「アルサイドのことを他国の密偵に知られた以上、この王宮には置いておけん。ウィリアムよ、お前は此度の責任を取り、王室侍従長の任を解く!」
「申し開きのしようもございません」
当然の決定です。私は頭を深く下げ、むしろこの場で首を討たれなかった温情に感謝したものです。
しかし、命令はそれで終わりではなかった。



