「ちっ父上、母上、抑えて! にしても、ぎりぎり間に合ってよかったぜ」

 ガースルとコーネリア、ウィンダスを筆頭に。

「馬車を急がせたかいがありましたな」
「いや~、危ない危ない。一番の山場に出遅れるところでしたな、父上」
「わはは、王国の馬は大陸一の駿足! 舐めてもらっては困るぞぉ!」

 ウィリアムやブラウン、ガーフィールも後ろからジェミーのもとへと近づいてくる。

(皆! 急いで来てくれたんだ)

 そのぼろぼろだけど温かい姿と声の頼もしさに緊張が解け、ジェミーは微かに笑うと、ようやく大きく詰めていた息を吐き出すことができた。

「よかったぁぁぁ。無事だったのね。信じてたけど」
「当り前だろ。そして……」