~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド

「こ、このような場で発言するご無礼をお許しいただきたい。わしはルブロ・ヴォルド伯爵。ペリエライツ公爵ガースルの弟であり、当主であった兄が不在のため、現在このジェミーの後見役を務めております。わしがここにジェミーと共に参ったのは、こ、この婚姻を認めた責任がわしにもあるからです」

 ルブロはこうした大勢の貴族の前で話すのに慣れていないのか、今にもその場から逃げ出してしまいそうな雰囲気だったが――それでも一度胸に抱いた志のためか、必死に踏みとどまって喉から声を絞り出した。

「わしは、実はふたりの婚約を承認する際に、ある誘惑を受けたのです。お前がこの婚約を認めたならば、兄に代わり、将来ペリエライツ家の全権をくれてやると。それに目がくらみ、わしは愚かにも言われるがまま婚姻証書に署名をしてしまった! そちらのクラフト殿下に唆されて!」

 ルブロが、歯を食いしばりながらぐっと前方を見上げ、参列者たちの視線も自ずとそちらに集まる。
 すなわち、貼り付いたような薄笑いを浮かべるクラフトの方へ。
 そしてジェミーは、今までの恨みつらみをすべてぶちまける気持ちで言い放った。

「クラフト殿下! ここまでのことをしておいて、もはや言い逃れはかないません! さあ、ご自身の敗北を認め、この式を直ちに取りやめてもらいますよ!」