～転生悪役令嬢の裏道攻略～ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド

「「我ら一同、これより誠心誠意お仕えさせていただきます」」
「こちらをどうぞ」

　そして恭しく、オーナーの女性からこの店の権利書が手渡された。
　ジェミーは皮筒に入ったそれを確認しミリィに渡すと、手を腰に当て一度は試してみたかった悪女的高笑いを存分に披露してみせた。ここに扇でもあったなら完璧だったのだが。

「よくてよ、おーっほっほっほ！　あなたたち、これからは私の野望のために尽力してもらうわ！　後日詳細な計画を伝えに来るから、それまでは新装開店の準備に励んでちょうだい！」
「「ははーっ、承りました！」」

　これにて、少々強引な手段であれどジェミーは自分のお店を入手することに成功した。ペリエライツ家の傘下に入ったこの服飾店の従業員たちが、ジェミーのことをあの、巷で噂される大公爵家の娘だと知るのは、また後日のこと。

　――そして、事件は起きる。