それを隣で見ていた常識人枠のウィンダスとルゼは、肩を並べて体を震わせた。
だが、今はここにいないクラフトを黒魔術で呪い殺そうとするよりやらなければいけないことがある。
それ以上はと、ウィンダスがなんとか狂気に駆られた両親を宥めにかかる。
「父上母上、そのくらいにしときましょう。クラフト殿下への仕返しは後で考えるとして、まずはなによりその結婚を止めちまわないと! ウィリアムさん、いったいオレたちが捕まえられてからどれくらい経ってるんです? そしてジェミーの結婚はいつなんだ?」
老紳士に視線が集中し、厳かに告げられたその一言に、一同は絶句した。
「――本日です」
「「ほ、本日だってぇ!?!?!?」」
阿鼻叫喚の叫びが室内を染め。
ガースルは団長室の机を借りて緊急で配下を呼び出す文を書き始め、コーネリアは鏡の前でぱたぱたと白粉をはたき、ガーフィールはこうしちゃいられんと外に騎士団の馬車を呼びに行くなど、てんでばらばらの動きをする中――ウィリアムが素早く両手を叩き、再度注目を集めた。そして、胸元から銀色の懐中時計を取り出す。
だが、今はここにいないクラフトを黒魔術で呪い殺そうとするよりやらなければいけないことがある。
それ以上はと、ウィンダスがなんとか狂気に駆られた両親を宥めにかかる。
「父上母上、そのくらいにしときましょう。クラフト殿下への仕返しは後で考えるとして、まずはなによりその結婚を止めちまわないと! ウィリアムさん、いったいオレたちが捕まえられてからどれくらい経ってるんです? そしてジェミーの結婚はいつなんだ?」
老紳士に視線が集中し、厳かに告げられたその一言に、一同は絶句した。
「――本日です」
「「ほ、本日だってぇ!?!?!?」」
阿鼻叫喚の叫びが室内を染め。
ガースルは団長室の机を借りて緊急で配下を呼び出す文を書き始め、コーネリアは鏡の前でぱたぱたと白粉をはたき、ガーフィールはこうしちゃいられんと外に騎士団の馬車を呼びに行くなど、てんでばらばらの動きをする中――ウィリアムが素早く両手を叩き、再度注目を集めた。そして、胸元から銀色の懐中時計を取り出す。



