~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド

「とりあえず、身の安全は保障されていますのでそこはご安心くだされ。ですが、どうお伝えしたものやら」

 同じく子供の親であるガーフィールが困った様子で言い淀むと、配慮したウィリアムが静かながら、催促を求めるような早口で許しを乞うた。

「監禁から解放されてすぐの皆様方にはやや刺激の強い内容になりますが、よろしければ私から近況の説明をさせていただいてよろしいでしょうか」
「そうだな。ガースル殿や他の方々、ウィリアムは僕たちが捕まってから、ジェミーと連絡を取り合い、クラフト殿下の動向や人質の監禁場所などを探ってくれていたのです。彼なら詳しい状況を話してくれるはずだ」
「ならば、手短に頼む。私は早く一目でもジェミーの無事な姿が見たいのだっ!」
「承りました」

 相変わらずのガースルの言葉に応じ、ウィリアムの口から、ペリエライツ家の面々が囚われの身になった後の成り行きが語られてゆく。

 帝国に無事戻ったジェミーが、ルブロの後見のもと、ペリエライツ家の政務を立派に引き継いだこと。ルゼにペリエライツ家の捜索を頼む傍ら、復活したエキュリゼ家のセニアとプライドをかけて争い、自分の店を守り抜いたこと。そこから、ルゼまでもが姿を消したため、それを心配して自らクラフトの協力者であるロドリエ商会に乗り込み、おそらくは家族やルゼの身柄との交換条件でクラフトに婚姻を承諾させられたこと、などを。