助け起こすウィンダスの声もろくに聞こえず、ルゼの頭の中に数々の記憶が過る。
自分を庇って倒れ込んだ女性。血で貼り付いた気持ち悪い衣服。焼けるような喉元の痛み。
足元も覚束ない暗い道を、ただ――ひたすら逃げて。
「しっかりしろ!」
――パン、と軽い衝撃を頬に感じ、ルゼは自分を取り戻す。
「ハッ! ハァ、ハァ、ハァッ。す、すみません、少しおかしくなっていたみたいだ」
「気にするな。ちょっとびっくりしただけさ。それより、なにがあった?」
汗に塗れた体をベッドに横たえられながら、次第に穏やかになってきた息で、ルゼはこう答えた。
「僕は、ここの出口が分かるかも……」
「なんだって!?」
「道を、覚えているんだ。それをたどれば、多分出られると思い、ます」
ルゼはたった今確信した。以前、この場所に来たことがあると。
自分を庇って倒れ込んだ女性。血で貼り付いた気持ち悪い衣服。焼けるような喉元の痛み。
足元も覚束ない暗い道を、ただ――ひたすら逃げて。
「しっかりしろ!」
――パン、と軽い衝撃を頬に感じ、ルゼは自分を取り戻す。
「ハッ! ハァ、ハァ、ハァッ。す、すみません、少しおかしくなっていたみたいだ」
「気にするな。ちょっとびっくりしただけさ。それより、なにがあった?」
汗に塗れた体をベッドに横たえられながら、次第に穏やかになってきた息で、ルゼはこう答えた。
「僕は、ここの出口が分かるかも……」
「なんだって!?」
「道を、覚えているんだ。それをたどれば、多分出られると思い、ます」
ルゼはたった今確信した。以前、この場所に来たことがあると。



