それをおくびにも出さずそう答え、彼は昔の記憶を浮かべようとしたが、大したことは思い出せない。
物心ついた頃には、トーミアス家でウィリアムや侍従たちに囲まれ、屋敷の中でのひっそりとした生活が始まっていた。
どこか遠慮するように、あまり積極的に関わってこない使用人たち。
彼らたちの対応はどちらかと言うと壊れ物に接するようで、ルゼに触れるその手はいつも冷たかった。
その中で唯一、ウィリアムだけがルゼに寄り添い、疑問があれば答え、導いてくれた。
だが、なぜ自分に父以外の家族たちが会いに来てくれないのかというのだけは、どうしてもその口から聞き出すことはできなかった。ときおりうっすらと記憶に浮かぶ、見知らぬ場所についても。
暇つぶしにでもなればと、ルゼはウィンダスに尋ねてみる。
「家族っていうのは、どういうものですか?」
「改まって聞かれると、答えるのは難しいなぁ」
かつて幾度となくウィリアムを困らせ、心の中に仕舞った質問。
それにウィンダスはとくに気負わず、彼なりの解釈で答えを示してくれる。
物心ついた頃には、トーミアス家でウィリアムや侍従たちに囲まれ、屋敷の中でのひっそりとした生活が始まっていた。
どこか遠慮するように、あまり積極的に関わってこない使用人たち。
彼らたちの対応はどちらかと言うと壊れ物に接するようで、ルゼに触れるその手はいつも冷たかった。
その中で唯一、ウィリアムだけがルゼに寄り添い、疑問があれば答え、導いてくれた。
だが、なぜ自分に父以外の家族たちが会いに来てくれないのかというのだけは、どうしてもその口から聞き出すことはできなかった。ときおりうっすらと記憶に浮かぶ、見知らぬ場所についても。
暇つぶしにでもなればと、ルゼはウィンダスに尋ねてみる。
「家族っていうのは、どういうものですか?」
「改まって聞かれると、答えるのは難しいなぁ」
かつて幾度となくウィリアムを困らせ、心の中に仕舞った質問。
それにウィンダスはとくに気負わず、彼なりの解釈で答えを示してくれる。



