再会の挨拶もそこそこにカーライルはジェミーの隣に進み出ると、父親を糾弾した。

「父上、失礼ではないですか! ジェミーはガースル叔父上の娘で、現在はペリエライツ家の当主代行なのですよ。せめて食事の手を止めてください!」

 すると、苛立たしげにだが、やっとルブロはナプキンで口を拭う。

「うぐぐ。お前は、まったく母親に似て口うるさい。そこまで育ててやったのは誰だと思っている! 兄上の娘に肩入れなどするなっ!」

 そう言いながらも、明らかにルブロから先ほどまでの勢いが消えている。
 おやおや、この様子だとこの人、もしかしてお母さん似のカーライルに頭が上がらないのでは?
 頼もしい援軍の登場にほっとして、ジェミーはこそこそと従兄殿に耳打ちする。

(いつ帝国から戻ってきたの?)
(すぐ前だよ。君がクラフト殿下と結婚式を挙げるなんて聞いたから、飛んで帰ってきたんだ。いったいどういうことなんだい、ボクという者がありながら! それにいつも君に腰巾着みたいにくっついてたあいつは、なにをしてるんだ!?)