~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド

 王都の市場はとんでもなく広い。一周するだけでも半日やそこらは余裕でかかりそうだ。足が痛くなりそうと思いながらも、馬車を降りて徒歩での移動を始める。ミリィの説明を聞きながら、ある程度見て回るものの方向性を決めることにする。

(前世ではいろいろ作ったなー。刺繍や編み物、シルバーアクセ、ぬいぐるみとかも一時期ハマってたし。あ、ハーバリウムなんかもありかも。ビーズは、ガラスとかのやつなら探せばあるかな? レジンとか化学系の素材はないだろうしね)

 屋台や店舗の軒先をうずうずしながら覗き込みつつ、気になった商品を手に取ってゆく。さすがに、機械類が発達した前世に比べ商品の質は荒い。けれどそんな個別のばらつきもまた味がある。

(いいじゃんいいじゃん。どんどん開拓していくわよー)

 わっくわくの気持ちで気になったものをミリィに頼んで買い上げてもらいながら、ジェミーは、あるお店の扉を潜ろうとした。そこでミリィが肩をすぼめて指摘する。

「御嬢様~、そちらは庶民の入られる店ですよ?」
「うっ、ちょっとくらいいいじゃないの。だって、中を見たいのよ」
「ですが、ええとそのぅ」