~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド

「き、気を遣ってくれなくて大丈夫! まずは誰も通さずに会ってみたいし」
「そう? ならちょっと待ってね」

 セニアは疑いもせずにかわいいモーヴカラーのメモ帳を取り出すと、さらさらとそこに王都の簡単な地図を描き始める。

(ふぃー、単純な性格でよかったー)

 楽しそうにペンを動かすセニアの表情は、無邪気な年相応の少女のものだ。彼女のことといい、あの帝国のリーザ第二王女といい、乙女の恋愛感情を操って自らのために利用しようとするなんて、本当にクラフトは罪深いやつ。

「できたわ! はい、どうぞ。ジェミー、どうかした?」

 思わず渋面になってしまい、セニアが不思議そうな顔をしたので取り繕うと、ジェミーは慌ただしく席を立った。
 
「なんでもないのよ、ありがとう。私、今日は授業に出ないでこのままロドリエ商会に出向いてみるわ。セニアは……その、利用されているってわかってても、まだクラフト殿下のことが好きなの?」

 ジェミーが別れ際にそう尋ねると、彼女は頬を染めて俯く。