「私、その人に会いに行かないといけないのよ。だから、その商会の所在地を教えてもらえない?」
「えっ? いったいどうして?」
「え、えーっとね」
そこでセニアに問い返されてジェミーは言い淀んだ。
素直にルゼが彼らに囚われていることを伝えてもよかったのだが、そうしたら、今の彼女ならクラスメイトのために彼らと敵対する行動を取りかねない。それをそのロドリエ商会とやらや、クラフトはよかれと思わないだろう。
彼女の後ろ盾が王位継承に必要になるため、直接危害を加えられることはないにしろ――たとえばどこかに幽閉されて不自由な生活を送らされたり、将来的にセニアとクラフトが結婚できなくなる可能性もある。
それはちょっとかわいそうだし、ジェミーにとっても好ましくない。なのでなんとかごまかそうとした。
「そ、そう、あれよ! ジェミーズ・グループもこの先大きくなりそうだしさ、これから他の商会ともいろんな連絡を取り合っていく機会もあると思うのよ。だから、一度その人とも顔合わせをしておきたいと思ってね。あは、あはは」
「まあ、そうだったの! なら喜んで教えるわ。私から紹介しましょうか?」
「えっ? いったいどうして?」
「え、えーっとね」
そこでセニアに問い返されてジェミーは言い淀んだ。
素直にルゼが彼らに囚われていることを伝えてもよかったのだが、そうしたら、今の彼女ならクラスメイトのために彼らと敵対する行動を取りかねない。それをそのロドリエ商会とやらや、クラフトはよかれと思わないだろう。
彼女の後ろ盾が王位継承に必要になるため、直接危害を加えられることはないにしろ――たとえばどこかに幽閉されて不自由な生活を送らされたり、将来的にセニアとクラフトが結婚できなくなる可能性もある。
それはちょっとかわいそうだし、ジェミーにとっても好ましくない。なのでなんとかごまかそうとした。
「そ、そう、あれよ! ジェミーズ・グループもこの先大きくなりそうだしさ、これから他の商会ともいろんな連絡を取り合っていく機会もあると思うのよ。だから、一度その人とも顔合わせをしておきたいと思ってね。あは、あはは」
「まあ、そうだったの! なら喜んで教えるわ。私から紹介しましょうか?」



