ジェミーズ・ドロアーを巡る問題は収集し、ペリエライツ家の執務にも慣れて、やや時間に余裕ができつつあったジェミーは週に何日か学校に顔を出すようになっていた。

 起きた変化といえば……。

「ねえジェミー、ジェミー! ちょっとお店のことで相談があるんだけど、いいかしら?」

 頻繁にセニアから話しかけられるようになってしまったことだろうか。やれやれだ。

 この学年に貴族向けのクラスはふたつあり、ルゼと同じく別クラスだった彼女は、今では休み時間の度に目をキラキラさせてジェミーのもとを訪れる。
 こちらとしても、前までのように陥しいれようとするわけでもなく、いたって好意的な姿で寄ってくる彼女をそう邪険にもできず。

「はいはい。なるべく手短にね」

 そんな風に、今ではゆる~く相手をしてやるようになっている。