~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド

「そうなんですの? 私、第三王妃様のお姿をお見かけしたことがありますけれど、栗色の髪に朱色の目の、匂い立つように淑やかな貴婦人であらせられましたのに。ということは王子様はお父上似であらせられて? こほん、失敬」

 皆第三王子が美形ではないというだけで、言葉をオブラートに包むのも大変そうだ。

 一方でジェミーはちょっと気が楽になる。この物語、中心人物が揃いも揃って美女イケメンばかり心臓に悪いのだ。大抵そういう人の周りで事件が起こるのは決まっているし、だからジェミーはなるべく彼らとは距離を離していたい。裏を返せば、付き合うのが普通の人ならとんでもない事件が起こる確率はぐっと下がる。そうであってほしい。

(やっぱり物語的には派手な美人が出てこないと盛り上がらないものね。シークレットキャラが普通の人っていうのはファン的にちょっと残念だけど)

 第三王子はおそらく父親似のモブ顔と、令嬢たちと一緒にやや残念そうな気分になりながら、ジェミーはその特徴を記憶する。
 話の盛り上がりも落ち着いて別の話題へと移る中、ジェミーはこれからのことを考えてみた。

(私が、クラフト殿下との婚約を表明したらば、その意図はどうあれ、おそらく第一王子は第二王子とペリエライツ家が組んだ可能性があると取っちゃうのよね? その辺り、父やジェミーはどう対応していたのかしら?)