~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド

 その原因は、カフェのインパクトによりこちらに客足を奪われてしまったことも大きいが、やはり一番は急ごしらえ商品の粗雑さにあったみたいだ。初期に造られた商品の中に異物が混入していたり、値段相応の効果を発揮してくれないような満足度の低いものがあったようで、いくつかのクレーム騒ぎが起こったらしい。

 さすがに前世、二十世紀ほどの品質管理を求められる時代じゃなくても、女性の細やかさと情報拡散能力を侮ってはいけない。SNSが存在しないこの世界だからこそ、口コミで悪い噂がばんばん広まってしまうもの。

 オーナーのセニアも汗水たらして店頭で客引きを頑張ってはいる。が、これほど大きく失速してしまうと――時が経ち、再度目新しいサービスなどを展開することができなければ客足を取り戻すのは難しいだろう。

 そして――ふたつの店の明暗がはっきり別れた本日。
 セニアはジェミーズ・ドロアーを訪れ、唇をわななかせて、目尻に涙を溜め込みながらも自ら白旗を上げた。

「悔しいっ! 本当に悔しい……ですけど、負けを認めます!」
「そう、わかったわ」