「ふふふ、トーミアス卿。あなたについてはまだ調査中ですが……もしかしたらとびきりの手札が入ったのかもしれませんね。せいぜい有効活用させていただきたいものです。さあ、皆さん。彼のことは丁重にご案内差し上げ、そしてただちに殿下に連絡を」
「「ハハッ!」」
「放せっ! ――――、――――!」
わずかに機嫌のよさを含ませた声音のジェイクを前に、悔し気に呻きながら――しかしルゼはさるぐつわの中で、小さく笑みを浮かべていた。
(うまくいったな。どうせ素直に罪を認めてくれるなんて思っちゃいないんだ。ここは潔く捕われてやるぜ。さて、ここからだが)
体を担ぎ上げられ、ゆっくりともと来た階段を下に下ろされながら。
ルゼは一番頼りとするところの老家令を思い出すと、彼に以後の行動を託す。
(後は、ペリエライツ家の人々がどこに捕らえられているかを知るだけなんだ……。任せたぞ、ウィリアム)
ルゼがあえてウィリアムを連れずここに単身で乗り込んだのは、ジェイクに無用な警戒を抱かせないため。
そしていかに手の広いロドリエ商会と言えど、王国から捜査の及ばない拠点をそういくつも用意できているとは考えにくい。
「「ハハッ!」」
「放せっ! ――――、――――!」
わずかに機嫌のよさを含ませた声音のジェイクを前に、悔し気に呻きながら――しかしルゼはさるぐつわの中で、小さく笑みを浮かべていた。
(うまくいったな。どうせ素直に罪を認めてくれるなんて思っちゃいないんだ。ここは潔く捕われてやるぜ。さて、ここからだが)
体を担ぎ上げられ、ゆっくりともと来た階段を下に下ろされながら。
ルゼは一番頼りとするところの老家令を思い出すと、彼に以後の行動を託す。
(後は、ペリエライツ家の人々がどこに捕らえられているかを知るだけなんだ……。任せたぞ、ウィリアム)
ルゼがあえてウィリアムを連れずここに単身で乗り込んだのは、ジェイクに無用な警戒を抱かせないため。
そしていかに手の広いロドリエ商会と言えど、王国から捜査の及ばない拠点をそういくつも用意できているとは考えにくい。



