ルゼが懐から取り出した包みを開くと、柔らかく緩んでいたジェイクの眼差しがわずかに強張る。
「それをどこで?」
彼の手中にあったのは、土汚れが表面に浮いた割符と呼ばれるものだ。商人たちが取引先を偽装されないために用意する代物で、予め文字などを表面に刻みつけた木片をふたつに割り、自分のものと相手に渡しておいた片割れがぴたり合わされば証文代わりになるというもの。そこにははっきりと、ロドリエ商会の名前が入っている。
「聞かずともわかるだろう。事故があった崖下の土の中だよ。崖上での作業時か、もしくはペリエライツ家の護衛たちと争った時に落っことしでもしたんだろうな。人を使う立場っていうのは大変だな? いかにあんた自身が用意周到でも、下の者に足を引っ張られることもある」
「我々を騙る何者かが、盗んでその場に紛れ込ませたのかも知れません」
ここまで来ても平静なままのジェイクに、ルゼは動かぬ証拠をつきつけた。
「往生際が悪いよ。僕らは現場の近隣の村落を周ってこれの片割れを持つ人間を探し出してる。割符を失くしたっていうのにあんたの部下は、その取引相手に強引に商談を進めさせたとさ。その人からは売り物を引きとる時に、荷物の奥から妙な呻き声がしてたって証言してくれた。相手の名前も控えてる。これを王国側に知らせたらどうなるかな」
「それをどこで?」
彼の手中にあったのは、土汚れが表面に浮いた割符と呼ばれるものだ。商人たちが取引先を偽装されないために用意する代物で、予め文字などを表面に刻みつけた木片をふたつに割り、自分のものと相手に渡しておいた片割れがぴたり合わされば証文代わりになるというもの。そこにははっきりと、ロドリエ商会の名前が入っている。
「聞かずともわかるだろう。事故があった崖下の土の中だよ。崖上での作業時か、もしくはペリエライツ家の護衛たちと争った時に落っことしでもしたんだろうな。人を使う立場っていうのは大変だな? いかにあんた自身が用意周到でも、下の者に足を引っ張られることもある」
「我々を騙る何者かが、盗んでその場に紛れ込ませたのかも知れません」
ここまで来ても平静なままのジェイクに、ルゼは動かぬ証拠をつきつけた。
「往生際が悪いよ。僕らは現場の近隣の村落を周ってこれの片割れを持つ人間を探し出してる。割符を失くしたっていうのにあんたの部下は、その取引相手に強引に商談を進めさせたとさ。その人からは売り物を引きとる時に、荷物の奥から妙な呻き声がしてたって証言してくれた。相手の名前も控えてる。これを王国側に知らせたらどうなるかな」



