~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド

「はい。このままじゃ担保にしているお店が取られちゃう――ちょうどそんな時に第二王子殿下から申し入れがあったんです。自分の頼みを聞いてくれれば、借金を帳消しにしてやるって」

 それはやはり的中し、こくりとシェリンは頷くと、それからもぽつぽつと彼女の思惑を話してくれた。

 両親が仲睦まじく経営していた頃の家具店を覚えていた彼女は、母が心臓の病で亡くなり荒れていく父を見ていられなかった。だからせめて借金だけでもどうにかしてやれれば、きっといつか立ち直ってくれると思っていたようだ。

 でも、このような状態でクラフトに協力せざるを得なくなり、ジェミーへの恩義を貫けなかった自分に、ジェミーズ・ドロアーにいる資格はない。そんな風にシェリンは思い詰めてしまったのだという。

 そして、どうやら彼女の実家の債務を新たに引き受けたのは、度々名前の出てきたあのロドリエ商会という組織らしい。
 こうなると、セニアのことといい、クラフトがそちらと協力関係にあり、いろいろと表沙汰にできないようなことをやらせている線が濃厚になってくる。

「ですから、もう私はジェミー様のお店で働くことはできません。それどころか、あなたに訴えられたって仕方がないんです。でもどうか、裁判所に引き渡すとしても責任を問うのは私だけにしてください。父と実家のことは、そっとしておいてほしいんです」