事のあらましを聞いたジェミーは、声を上げずにはいられない。
「――えーっ!? 夜会で私の振りをして、殿下と踊ってたですって!?」
「はい。それも毎日のように」
(それで、皆に殿下との婚約の噂が広まってたのかぁ)
それでようやく納得できた。あのクラフトめ、こちらが旅行で帰ってこないのをいいことに、さも自分たちがよりを戻したかのような工作を王都中で行っていたらしい。
ペリエライツ家がクラフトの婚約申し込みを断ったという話は、帝国に行くすぐ前のことで、当時はまだそれほど貴族たちの間では広まっていなかった。なのにそんなことを繰り返せば、貴族たちの印象はさぞ、彼の都合のいいように上書きされてしまったことだろう。
「くーっ、やってくれるじゃない、クラフト殿下」
ジェミーが思わず拳を手のひらに打ち付けてクラフトへの怒りを表す中。
デリケートなシェリンの心に容赦なくつっ込んだのは、ひとり冷静に突っ立っていたミリィだ。
「――えーっ!? 夜会で私の振りをして、殿下と踊ってたですって!?」
「はい。それも毎日のように」
(それで、皆に殿下との婚約の噂が広まってたのかぁ)
それでようやく納得できた。あのクラフトめ、こちらが旅行で帰ってこないのをいいことに、さも自分たちがよりを戻したかのような工作を王都中で行っていたらしい。
ペリエライツ家がクラフトの婚約申し込みを断ったという話は、帝国に行くすぐ前のことで、当時はまだそれほど貴族たちの間では広まっていなかった。なのにそんなことを繰り返せば、貴族たちの印象はさぞ、彼の都合のいいように上書きされてしまったことだろう。
「くーっ、やってくれるじゃない、クラフト殿下」
ジェミーが思わず拳を手のひらに打ち付けてクラフトへの怒りを表す中。
デリケートなシェリンの心に容赦なくつっ込んだのは、ひとり冷静に突っ立っていたミリィだ。



