~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド

 そうだった。今は面会を断っているにせよ、かつては月に一、二度クラフト殿下は屋敷に顔を出していた。ジェミーと付き合いの深い令嬢の中には、婚約待ったなしと思っている者も多いだろう。

 そういった周囲の印象から変えていかねばと、ジェミーは彼女らに訴えかけた。

「実は私、まことクラフト殿下の婚約者としては至らない点が多すぎると、今さらながら気づいてしまいましたの。あの方の隣に並ぶには、国民の模範となるような正しい心と広い器の持ち主がふさわしい。そう考えると、私、自信がなくて」

 頬に手を当て、憂鬱そうなため息を吐いて見せると、周囲から同情の声が次々上がる。

「そ、そんな! ジェミー様ほど素晴らしい女性はなかなかいらっしゃいませんわ! 私たちは、あなた様ならきっと将来王太子を補佐するあの方の隣に相応しいと確信しておりましたのに!」
「そうですそうです! お顔立ちは少々こわ……美しいもの特有の棘がございましょうけど、ジェミー様を見れば周囲の人々も恐れ……いえ、その威厳漂うお姿に感嘆すること請け合いですっ!」
(はいはい、要するに顔怖くて圧強めってことね)