~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド

 もちろん、そんなことはおくびにも出さなかったが。

「大変だね。君たちには君たちのしがらみがあるんだろうから」

 無意識に見下した言葉。だが、それをシェリンは痛烈な批判で返してくる。

「そんなことをおっしゃって、どうせあなた様には下々の、いえ、他人の気持ちなんて雨粒くらいもわかっていないんでしょう? でも、ジェミー様ならきっと理解してくださいますよ」
「ふうん? 彼女のことを信頼しているんだ」
「では」

 反抗的な目付きをしたまま、送ってやった礼も言わずにシェリンは馬車を降りた。
 彼女の実家から離れ、すぐに馬車は王宮へと戻り始める。その中でクラフトは残念そうにこぼした。

「それにしても、ジェミーはずいぶん変わってしまったなぁ。あんなに扱いやすかったのに」

 彼が思い出すのは出会った頃のジェミーだ。傲慢で、不遜で、自分より目下の者のことなど、虫けら以下にしか考えていなかった公爵家の悪女。