~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド

 劇的ではあったけれど、その日一度限りの出会い。それでふたりの縁は途切れるはずだった。だがある時、彼女は通りで井戸端会議をしていた主婦たちから、こんな噂を耳にする。

「今年はレビエラ王国立上級学園に、第二王子のクラフト殿下がご入学なさったらしいわね」
「まあ! それなら、学業を真剣に取り組んで推薦枠にでも入れば、平民でも身近で王子様の姿を拝めるのかもしれないということ!? うちの娘にでも勧めて、私もこっそり後ろについて学校に入れないかしら」
「あんたんとこのじゃじゃ馬じゃ入学すら無理よぉ」

 けたけたと笑い合う主婦たちの声に立ち止まると、セニアは強く思い立つ。そして養父であるエレマール子爵の執務室に駆け込むと懇願した。

「お義父様! どうか私に、国立上級学園の試験を受ける許可をいただけませんか!?」

 当初、自分たちの子を差し置いて養女である彼女を位の高い学園に挑戦させる決断に、彼は難色を示した。しかし養父からしても、セニアをなるべく高位の貴族に売りつけて、残りの人生を謳歌したいという思いがあったようだ。国立上級学園に所属して好成績で卒業できれば、それは国でも有数の才女と認知されることになる。そうすれば、子爵家程度の家柄でも、上級の貴族との婚約が願える可能性は十分にあった。