~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド

 ただし、政権抗争に紐づいた命の危険と引き換えなので、全然嬉しくないだろうが。
 そんな下らないジョークはとやかくとして、ルゼの胸にはデールたちへの軽い嫉妬が燻る。

 まったく貴族や王族という身分は便利なものだ。たとえ恋愛感情が欠片もなくたって、家系の存続――それだけで相手を求めようという口実になるのだから。カーライルの影響か、時折顔を出すようになった独占欲と戦いながら、ルゼはジェミーに知らない単語を訊いてみる。

「その壁ドンっていうのは?」
「だから、こう壁際に追い込まれて関係を迫られるんですよ、ドンって。ドキドキするでしょ?」

 わざわざルゼを引っ張って、こんな感じだと実演してみせるジェミーの鈍感さすら腹立たしく、そこでルゼは彼女の手をとると、ぐるっと体の位置を入れ替えてやった。

「こうすれば」
「きゃっ」

 先日彼女が王太子から受けたという、そんな恥ずかしい体勢になったふたり。