~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド

「あの、ありがとうございました! 私、エレマール子爵家のセニアと申します! 後日、ご恩をお返しに上がりたいのですが、あなた様のお名前は?」

 すると青年は、大きく手を上げて名前を教えてくれた。

「気にするな! クラフトだ! クラフト・デュア・レビエラ! また会えるといいな、セニア!」
(えっ、レビエラ!?)

 そう言って青年は身を翻して颯爽と去り、セニアは衝撃にしばらくその場で立ち尽くす。レビエラ――この国の名を冠する方、それはすなわち王族。

 まさか王家に連なる人物に助けていただくなんて。
 屋敷に戻るのが遅くなり、こっぴどく叱られた彼女だったが、その日の出来事は頭から離れなかった。

 それからセニアは、ことあるごとに彼を思い出し、心ここにあらずの日々を送った。
 しかし第二王子殿下など、本来セニアが口を利くことも許されない雲の上のお方。子爵令嬢ごときでは二度と会うことが叶わないのは明らかだ。