~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド

「うん、また近日中にも顔を出すから、パネマにもよろしく言っておいて。そうそう、それと、あなた変な噂を聞いてない? 私とクラフト殿下がどうたらって。変な話よ、私休みの間こっちにいなかったのに――」
「うぁ、えっと」

 例の話を出した瞬間、シェリンがギクッと固まった。その様子に、疑わしさを禁じ得ず彼女をまじまじ見回すと、少し髪を短くしたのに気づいた。以前は腰まで届く長髪を後ろで括っていたのが、今はジェミーと同じように肩下辺りで切り揃え、ややさっぱりした印象だ。ふたり並んで立てば、姉妹のように見えなくもないかもしれない。

 なんということのない世間話だったはずだが、ひどく彼女は動揺し、目を泳がせている。
 その態度がどうも気になって、より詳しくシェリンに尋ねようとしたのだが。

「そういえば、髪を切ったのね。似合ってるけど、なにかあったりした?」
「ご、ごめんなさい、私はなにも聞いていませんっ! こ、この髪だって、御嬢様に似せて、ちょっと公爵令嬢気分を味わってみようって、それだけで! わ、私、これから今日も仕事がありますから、失礼します!」
「あっちょっと、急ぐなら馬車で送るわよ!?」
「走って帰りたい気分ですのでっ!」