~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド

 代わりというわけではないが、忸怩たる思いを抱えたジェミーの前に、久々のジェミーズ・ドロアーの従業員、シェリンが姿を見せた。

「あっ、シェリンじゃない! 久しぶりね」
「っジェミー様!? お、お元気そうでなによりです。えへ、えへへへ」

 いきなり声をかけたこともあるのだろうが、彼女は激しく動揺していた。愛想笑いが引きつり、腰まで引けている。ついこないだまでは、ジェミーの姿を見れば子犬のように駆けつけてくれていたというのに。なんだかこちらがしょんぼりしてしまった。

「夏休みの間、お店に顔を出せなくてごめんなさいね、どう、皆楽しく働けてるかしら?」
「も、もちろんでございますとも。パネマ店長もジェミー様の名に恥じぬよう、さらなる新商品の計画や従業員の育成に余念がなくって。そうそう、私もついこの間、少しお給料を上げていただいたんです」
「よかったじゃない! うん、あなたたちに任せておけば問題ないわね」

 そういえば、なにかと慌ただしくて、ミリィからジェミーズ・ドロアーがどうなったかも聞けていない。新しい人員の雇用や経営もすべて任せっきりのパネマには、世話になったお礼にたっぷりのチョコレートでも持って行かねばと、社会人時代の常識が(うず)く。