「正直、美しいだけの女には飽きていてな。だが珍しいのだ。俺に興味を持たせてくれるお前のようなやつは。俺の予想のできない手段でクラフトを手玉に取り、帝国を救う、こんなことをできる女が他にいるか? 貴重な存在に心を惹かれるのは、人として当然のことではないか」
(それは私がこの物語の内容を知ってるってだけなんですってばー!)
この場でそう喚き散らしてしまえたらどんなによかったか。
ジェミーは彼が思っているような人間ではまったくもって全然ない。それに、彼と結婚し、その魅力に骨抜きにされて未来の知識をうっかり話してしまったら、この世界がどんな魔改造をされてしまうかわからない。
「俺のものになれ」
背景に薔薇でも咲き乱れていそうな、デールの妖艶な顔が迫る。
「おやめください!」
しかし、すんでのところでジェミーは彼の肩をつき放した。ジェミーはこんなところでデールに既成事実を作られて、王宮に囚われるような生活をするのはごめんなのだ。
(それは私がこの物語の内容を知ってるってだけなんですってばー!)
この場でそう喚き散らしてしまえたらどんなによかったか。
ジェミーは彼が思っているような人間ではまったくもって全然ない。それに、彼と結婚し、その魅力に骨抜きにされて未来の知識をうっかり話してしまったら、この世界がどんな魔改造をされてしまうかわからない。
「俺のものになれ」
背景に薔薇でも咲き乱れていそうな、デールの妖艶な顔が迫る。
「おやめください!」
しかし、すんでのところでジェミーは彼の肩をつき放した。ジェミーはこんなところでデールに既成事実を作られて、王宮に囚われるような生活をするのはごめんなのだ。



